行きたいと思っていたChateau Chantilly(シャトーシャンティイ)。
一つ目の理由は単純。
フランス語でホイップクリームをcrème chantilly(クレームシャンティイ)という。
ここでもう分かった人もいるかもしれないが、
そう、名前の由来はこのシャトーから来ている。
17世紀半ばに、François Vatel(フランソワ・ヴァテール)という宮廷料理人がいた。
彼は、太陽王ルイ14世の財務官Nicolas Fouquet(ニコラス・フーケ)に仕えた後、
Nicolasの失脚により、ルイ14世の遠い親戚のコンデ公に仕えることとなる。
その時にChantillyでホイップクリームを開発した人物と言われている。
そう、皆さんもきっと好きなあのホイップクリーム。
メレンゲ用の卵がなくて、代わりに生クリームを砂糖とともに泡立てみたら、
ホイップクリームになったとか。
とにかく、今私たちがホイップクリームにありつけるのも、
このVatelさんの思いつきのお陰なのです。
ちなみに彼は、コンデ公の名誉回復のために
ルイ14世を招いた3日3晩のパーティで、
注文した魚が予定通り届かなかったので、自殺した。( ! )
なんたるプロフェッショナル魂。
フランスの郵便事情はそのころから困りもの。
Chateâu de Chantilly 水辺に浮かぶ城 |
2つ目の理由は、
André le Notre(アンドレ・ル・ノートル)設計の庭を目にしたかったから。
彼は、フランス式庭園の基礎をきづいたといわれている。
尚、今年は生誕400年らしく、expositionが各地で行われている。 ラッキー。
大きすぎてフレームに収まりません。 |
部屋から南側の庭を覗いた様子。 |
この庭は前述のコンデ公が、Le Notreにオーダーした。
彼のキャリアをさくっというと、
Nicolas Fouquetの
Chateâu Vaux le Vicomt(シャトー・ヴォー・ル・ヴィコント)で
庭の設計を行い、
その出来がルイ14世に評価され、直属の庭師となり、
チュイルリー庭園やヴェルサイユ等を手がけていく。
ちなみに企画をしたNicolas Fouquetは、
そのシャトーの出来映えが良すぎて、
シャトー完成パーティーに招いたルイ14世の嫉妬を買い、
横領疑惑を掛けられ、投獄。そしてそこで命を落としている。
目立ちすぎてもいけない…難しい。
彼の想像力・デザイン力は、当然評価されるものと思うが、
何よりもこの大きい庭を
アナログな測量器で、計測し、配置を行ったその技術の正確性に圧倒される。
なにせ、最新技術を投入して40坪の敷地を測量しても
間違っていることもある。(笑)
ここもプロフェッショナリズムの違いなのか。
3つ目はお約束。インテリア研究のためです。
インテリアデザインを行う上で欠かせないのが、本物を見ること。
特に城となると、
各地からプロ中のプロである職人がつくった家具や
手がけた内装をみることができるので、またとないお勉強の場所です。
特にコンデ公は芸術に造詣があったようで、美術品が数多く展示されていました。
一脚ミニチュアで欲しい。ルイ16世様式のいす。 |
あまりのステキさに卒倒しそうになった書庫。勉強したくなる。 |
狩猟がテーマの城ならではのライオンの剥製。ガオッ |
ということで、日本で皆さんが暑さに苦しんでいる中、
意外にも冷房の効いているシャンティイ城訪問を楽しんでおりました。
私はこんな贅沢な経験していいのでしょうか??と思ってしまいます。
ただリスクは掛けてますからねー。
これまた大きな収穫です。
そしてシャンティイ城Ⅱに続く…