2014年1月30日木曜日

ラーンス!

先週末、念願のランス(Lens)に行って来た。
ランスは、フランス北部のパ・ド・カレにあるかつて炭鉱で栄えた都市。
ここに行った理由は、2012年12月にオープンした
ルーブル・ランス美術館に行くためだ。
日仏学院の授業で、ルメートル女史がテーマに取り上げてくれたので、
事前情報はバッチリ頭に入ってる。だから、あとは現地を確認するだけ。

ルーブル・ランス美術館入り口の建物。

外からでも中からでも見えるホール。


ルーブル・ランス美術館は、
ルーブル・グローバルプロジェクトの一環で
2003年からあたためられてきたプロジェクト。
2004年にランスに決定し、
2005年9月に設計コンペ最終選考ルディ・リコッティとザハ・ハディドを破り、
日本の建築事務所SANAA(サナー)が担うことになる。
そこから2012年12月のオープンなので、実現まで約9年かかってます。
すごいなぁ。


私はSANAAの建築物の自然な空気感がとても好きです。
またこの建築のライティングは、
照明の先生だったダヴィットも関わっていたと聞き、
より一層見なければならない宿命感が大きかったのです。


と、さてパリ・Gare du Nord(北駅)からTGVで約1時間。
ようやくランスに着くと、予想通り何もないですから、
真っ直ぐ美術館に向かいます。
Navettesと言われる巡回バスもありますが、
私は約20分ほどかけて、寒い中を歩きました。
道順はとても親切丁寧に書いてあるので、迷うことはありません。
途中から、炭鉱物を運ぶトロッコ?線路跡地を利用した道が私を引導。
しかしここは、夏に来た方がよかったかもしれないな。
寂し過ぎる…。


かつての線路跡地。電車で来る人も多いみたい。
進行方向右手に、二コブの山。かつて採掘されていた山が見える。

美術館に映りこむ二コブの山がまた素敵。

常設展は無料で、企画展は9€。
今は、「エトルリア人と地中海」という企画展が行われていました。
しかしここで注目すべきは常設展。本当に興味深い!
  La Grande Galerie /別名Galerie du temps
「グランドギャラリー/別名:時のギャラリー」
と呼ばれるその名の通り、大空間に壁もなく、
古代から近代までの作品が、起源に関係なく時系列に並べられている。
というのはつまり、アジアのものであろうと、アフリカのものだろうと、
ヨーロッパのものだろうと、時代順に作品が並べられている。
だから、同じ時代にそれぞれの地域文化で何が美とされてきたのか
というのが、一度に見ることができるのだ。

このMuséography(ミュゼオグラフィー=展示方法)はワクワクする。
時代ごとの文化間のアートのつながりが見える。
なんとなく見るのではなく、作品を見ながら相互関係考えるから、
頭が久しぶりに活性化した時間でした。

空間に遮りはなく、開放的。作品の裏にも違う作品があるから、見逃すこともある。

マット仕上げの壁が光と内部を反射して柔らかく広さを演出。

この他にも地下に、普段展示されていない作品の倉庫が、
ガラス越しで見えるようになっていたり、
図書館があったり、
カフェはもちろん、ピクニックコーナーが、
同じ建物内に、存在。
帰りの電車まで時間があったので、
図書館で図録を読みふけりました。
こういうの、あるといいよなー。
それでも時間があったので、
図録で確認した物を今一度常設展に行って見ました。


待ち合わせパビリオン

図書館(リソースセンター)

建物にしても、作品にしても
ランス・ルーブル、おすすめです!








2014年1月29日水曜日

プラハの冬-パート2



ちょっと時間が経ってしまいましたが、プラハ記録を一応残します。
2日目のプラハは日曜日だったので、
いつもの経験から店が閉まっているだろうと思い、
プラハ城を中心に観光しようと決めておりました。
ガイドブックを事前にきちんと読みました。

プラハ城敷地内には、聖ヴィート大聖堂があり、
そこではミュシャがデザインしたステンドグランスがあります。
私は主にそこを見たかったのですが、
なんとその日は超例外で休み。
入館チケットは他の建物への入館合せてもセット販売で売られているので、
私たちはそこで断念。

でもお陰で、タイミングよく衛兵交代式にあったり、
となりの国立プラハ美術館にて、
最後の印象派といわれるLudvik Kuba(ルードヴィック・クーバ)の展示会を見る。
プラハ人だった彼は、絵だけでなく音楽や物書きでもあるマルチタレントに恵まれた人で、
私は初めて目にしましたが、色使いや筆の勢いのあるタッチがとても好きになりました。
図録欲しかったけど、重いのと5000円と少し高価だったので断念。
日本でメジャーではないのが、少し残念です。
国立プラハ美術館ということで、
他の常設展示品もレベルが高いのかと思ったら、
そこは少し期待はずれ。
どっちかっていうと建築やインテリアに惹かれました。
それは後日訪れる王宮美術館も同じ。

優しさに包まれる感覚の絵ばかりでした。
炭?でモチーフ描いた壁。



木の味が良いトーネット・209アームチェアが並ぶ。
寄せ木・木目を活かした扉で把手デザインが貝。

美術館を出て、すごくお腹が空いていた私たちは、
ランチとビールを求めます。
13時をまわっていたので、空腹と寒さで2人とも苛立っていましたが、
突然樺太犬のような黒いデカい犬の集団に遭遇、
あまりの数奇さに吹き飛びました。何犬なんだろ?

この後も10匹以上の集団を確認。


と、美術館隣にあったレストランに入ります。
はい、そこが間違いでした。

外に出されていたメニューの価格はまあ普通だと思ったので、
入ったのですが、店内メニューに価格がない。
一応頼むときに口頭で聞き、一瞬高いなと思ったけど、
お店を変えるのも面倒だから、まぁいいかと。

次の瞬間、うちの画伯が気がついた。
テーブルにどうぞ食べてくださいーという雰囲気で置いてあるボテチ。
なんと見えにくい位置に価格が書いてある。
気付いたときにはもう手を出してしまっている。
加えて頼んでないパンも来たけど、これも有料。
ビールは普通の3倍くらい。(だから日本と同じ位)
最後に、支払いは現金しか受付けないと。
クローナで払えば、6000円くらいだけど、
ユーロで払えば、8400円くらい。
もちろん現金でクローナはそんなに持ってないから、結局ユーロで支払い。
最後の最後でも泡を吹かせられました。
美味しかった泡は、最初のビールだけ。

頼んでないチップスとパンと、頼んだビールですよ…

プリプリ店を出て、次の観光スポットへ。
ストラホフ修道院で、あまりに美しいと言われる図書室を拝見。
ノーコメント…

またプリプリしながら、今度は丘を下りながら、カレル橋目指して歩く。
この辺りの雰囲気はまた格別に良い。
カレル橋の袂ちかくの橋で、ステキな看板を見つける。

ここで出てくるのが浦沢直樹のモンスターだ。
ヨハンとアンナの出生の秘密を辿る段階で出てくる
三匹のカエルの看板。
実はコレがモデルらしい。
後で知って妙にテンションがあがりました。

三匹の白鳥かな?

カレル橋を渡りきった後に見たモルダウ川に臨む夕日は
息をのむ美しさ。



そろそろ家路に着こうかというところで、
とうとう画伯のプリプリが最高潮に達して来た。
というのも彼女は足が痛いからだ。
石畳にヒールありのブーツは確かにキツい。
また次の日もあるからな…


結局、安定感のある靴を買いに回り、
彼女はとてもあったかいブーツをアディダスで手に入れた。
彼女のサイズのブーツが片方なかなか見つからず、
ちょっとコロコロした男性店員さんが白い肌を赤く火照らせて、
汗かいて探してくれたのも懐かしい。
痛みから解放されて安堵した足取りの画伯を見て、ようやく私も安心。
旅にはヒールは厳禁ですよー。
こっちがハラハラします。

突然にしては良いブーツに巡り会えた。

この日の夜は、もうお肉と揚げ物とビールで胃が疲れていたので、
家でゆでたブロッコリーとトマトパスタをチェコワインでいただきました。
画伯は爆睡していたので、1人で食べました。



2日目終わりー!























2014年1月4日土曜日

ボン・フェット

年末にコロンビア人のジャネットのお家に遊びに行った時、
お誘いを受け、
年越しを彼女の家族と過ごすこととなりました。
行ってきました。

彼女は年齢不詳だけど、多分50歳くらい。
ズバ抜けて明るくて、気配りがすごく、仕事が早い!
そしてジェニファーロペスに似ている。
エネルギッシュな女性。

彼女の家は、パリ郊外にあり、家からは電車で40分くらい。
20時くらいに来てと言われたので、時間に合わせて向かう。

切符を買った後に、衝撃の事実を知る。
いつも通り、切符を機械に通そうとすると、入らない。
どういうことだー!!!
と、思っていたら、通りすがるおじさんが、
「今日の夜から明日の昼12時までタダだよ。」と。

なにぃー!?
そんなプレゼントあるんですかー。
その割にそのポスターがそこに貼ってある訳でもなく、
券売機も起動している。
そして買った切符は払い戻せません。
はい、これがフランスです。

ようやくたどり着いたジャネットの家。
デコレーションがクリスマスの時よりもグレードアップしていました。
ジャネットは、フラワーデコレーターとして
もともと仕事をしていたので、色に関してもセンス抜群。
家は手先が器用な旦那が建設したらしいので、
すべてが手作りのジャネットの家は暖かみが違う。

クリスマス訪問時ーツリーがスゴイ!!もはやグリーンは見えない。

今度はテーブルもすごい!華やかでエレガント。
準備を手伝いながら、
ジャネットのお仲間が続々と集まってきました。
ジャネットの姪のカトリーヌがかわいくてかわいくてビックリ。
年近く、彼女は30歳で、6歳の子持ち。
ユーモアたっぷりで、ケーキが大好きなラテン女子。
一緒にモロッコエンドウ豆の鞘を剥きました。
ちなみに1人でゆで卵の殻を20個くらい剥きました。
こんなのは後にも先にもない経験だろうな。

ジャネット・カトリーヌ・レオ美男美女がキッチンにて

結局、食事は10時過ぎくらいからスタート。
アペリティフ、スープ、魚、お肉…と本格的なコース。
フレンチというよりは、コロンビアン料理。
ラモスのやってるブラジル料理:CARIOCAで食べた味に似ていたかな。
でも、もちろん美味しい!

12時に近づくと、シャンパンを開けて皆でお祝い。
コロンビアにいる親戚に、
ジャネットはずっと電話をしていました。
ジャネットは13人兄妹だから、結構時間かかります。
でも偉いですね。

さて、そこからダンスが始まりました。
外人ってなんで家でそんなに爆音で音楽聞くかなーって
いつも思っていたけど、今回は当事者。
踊るためには、必要なボリュームなんですね。
家であまり踊りませんから、慣れません。









私もキミコーって呼ばれるから、
行かない訳にはいきません。
ので、サルサ踊りました。
次いで、懐かしダンスミュージックも。
皆で踊ると楽しいですねー。
6歳のジャネットの姪の子:レオくんもノリノリです。

しかしながらお酒飲んで、踊ったら、
頭痛がガンガンとひどくなって来たので、
2時半には先にベッドで眠りにつかせていただきました。
このとき一時休憩しながら、他の人はデザートを食べて、
すべての料理コースを修了させておりました。
後から話を聞くと、
6歳のレオくんは、4時過ぎくらいまで踊っていたそう。
6歳に負けました。
ジャネットは、5時過ぎくらいまで踊っていたそう。
推定50歳にも負けました。
やっぱりパワーの違いを見せつけられました。

玄関を開けると、重い雲が覆う薄暗い元日の空。
傘をさし、酔っぱらいは
無料で乗れるバスと電車で
大人しく、家に帰りました。

c'était la bonne fête!













2014年1月1日水曜日

プラハの冬〜番外編

Bonne Année! (ボナネー!)
あけましておめでとうございます。

と、言いたいところですが、こちらはまだ年末。
2013年中にこれをアップしたくて急ぎます!


プラハで見た「情けないライオンシリーズ」を番外編で。
ライオンは権力や勇者の象徴として鷲とともに、
紋章や美術品、建築によく使われます。


しかしながら街をプラプラしていると、
決して風格のあるわけではないライオンにあったりします。
私たちが知っているライオンは1種類ですが、
人の手が加わるとより個性豊かなライオンになります。

ではさくっと、どうぞ。



扉に彫られた威嚇力のないライオン


誰かを待っているような切ないライオン

何だかチワワを足したような愛くるしいライオン


仕方なくキャンドルを持つことになったライオン








最後はピンぼけのライオンで!




来年も皆さんがよい年を過ごせますように。