それでも13度前後。
マルティニーク育ちのMagaliは、
冬で20度という経験しかないから、
彼女にとっては極寒に入る温度だ。
着る服もないから、様子見で買い足しているらしい。
金曜日朝には、霧が出た。
50メートル先は、見えない。
頬さす程度のくらいの寒さだから、
歩けばまだまだ絶えられる冷たさだ。
私には身が引き締まる心地よい寒さだ。
朝、Gard de Nord近く。 |
学校帰りにクラスメートのFabienne(ファビエンヌ)に付き合って、
Republique(レピュビュリック)まで
世界堂みたいな文房具屋さんへお買い物に付き合う。
彼女は地図が読めないから、説明するのが酷で一緒に行った方が早い。
何が欲しいかって、
砂消しゴムが欲しいんですって。
私も買う物があったし、ちょうどいい。
学校から15分程度の距離にあるそのお店までの間、
他愛ない会話がつづくのだが、
人にお願いしている割に、
気分が悪いから早く帰りたいから、どのくらいで帰れるのかとか聞いてくる。
自分勝手な発言に驚きを隠せない。
と思いつつも、気分悪いなら、自分も早くしなきゃと思い、
優柔不断な私が、とりあえず自分の欲しいパステルを即決した。
傍ら、彼女は砂消しゴムはもちろんだが、
予想通り、他の物に目が行き、
時間を気にしている彼女が一番買い物が長かったりする。
どーぞ、どーぞ。
好きなだけ見て買ってください。
待っている間に、視界に入ったCopic(コピック)集団。
パースやデッサン用に使われる着色ペンだが、こちら日本製。
アニメーターにもよく使われている。
店の中でも中心に位置するCopicは、
店の扉を開くと真っ先に目に飛び込み、異様な存在感を放っている。
「私、Copicですけど?クォリティは最高よ。だって日本製だもの。」
1本800円くらいする。高いよ!
日本だと1本350円前後だった気がする。
1本くらいならいいけど、
グラデーションを付けるために最低でも3本は必要だから、
それだけでも価格に大きな差が開いてくる。
日本製がいいのかどうなのかわからないが、
確かに私も会社勤めのときは何も知らずこれ使っていたし、
パースのクラスでも美術大を出た先生がコピックは一番良いと言っていた。
なんだか嬉しい。自分が褒められたような気分だ。(全く関係ないけど)
余談だが、その先生がとても実用的だと勧めたパースの書き方本が、
長谷川矩祥(はせがわのりよし)氏の本だった。
彼はハウジングエージェンシーでパース講座を持っている先生だ。
ボザール(美術大学)を出た先生がフランス人のパース本ではなく、
日本人のパース本を勧めるとは…!!
なんだかこちらも嬉しかった。(全く関係ないけど)
私以外のクラスメイトのほとんどが買っているので、いい売上になったはずだ。
ちなみに価格は嬉しくなかった。
で、
結局Fabienneの買い物が終わって、外に出ると、
曇っていた空が一転、青空に。
夕日がRepublique周辺の建物を照らし、
なんとも言えない色並みを見せてくれる。
表情が豊かな街です。
夕日が焼き付けられるRépubliqueの建物 |
これを見たFabienneは、気分が良くなったらしく、
この後(他のお店で)買い物しない?という発言をした。
おやおや、
天気も彼女も移ろいやすいことですこと。