2013年12月30日月曜日

プラハの冬-パート1

学校最終日の20日、
うちの画伯が日本から来た。
画伯はパリに何度か来ているので、
パリで観光するより小旅行で違う国にいく案を飲んでくれた。
私はウィーンに行きたかったので提案したが、
チェコでという回答だった。
私も行ったことがないので、
チェコ(プラハ)に行くことに賛成した。



うちの画伯。プラハ地下鉄構内にて。
チェコといえば、
私の中ではドヴォルザーク、スラヴ民族と浦沢直樹のモンスターくらいしか
まずアタマに浮かばない。
飛行機と宿の手配だけした私は、すべてのプランを画伯に任せた。
だけど一応、行きの飛行機の中で、
彼女が持って来たガイドブックを30分くらいじっくり読んでみた。
なんとそこで、クリスマスはプラハ訪問で一番いい時期ということを知った。
画伯、ありがとう。

パリから飛行機で1時間半。宿へはそこから50分。到着時気温は0度。
地下鉄を出て街を見ると、これはこれはまた別世界。
フランスでもなく、イタリアでもなく、ドイツでもなく。
これがプラハか!!ドイツの街に似ているかなーでもカラフルな独特のスタイル。
画伯とにゃーにゃー騒ぎながら、宿に向かう。

今回のお宿は、利便性の良いアパートを借りた。
キッチンがあると、何かと便利だし、
ホテルではなく実際現地の家の中が見られるからだ。

アールヌーボースタイルのエントランスを抜けると、
部屋に入るまで、鍵3つ!!計鍵4つ。
防犯対策素晴らしい。けど、家出入りするまでに時間かかるなー。
窓は寒いから全て二重。玄関ドア裏も寒さ対策が万全に。
ホテルではないから、寒いかもと懸念していたが、
ラディエーターをつけなくても全然平気なくらい暖かかった。


部屋は35平米位で広いバルコニーが中庭に面するとてもいい部屋だった。

4時半起きの私たちは一瞬ここで寝そうになるが、
身を引き締めて観光へ。
時間が12時近くだったので、
とりあえず昼食をとる場所を探すことに。
ちょうど外へでると、12時の鐘の音が鳴る。
そこで画伯が曖昧な記憶で、天文時計の仕掛けが有名とか何とか言い出した。
さて、天文時計はどこにあるのか?
とりあえず人だかりを見つけてそこへ向かうと、
今まで視線が1点だった観光客が、散り散りになりだした。
そう、私たちが着いたときにはその仕掛けがちょうど終わった。
まぁ、そんなもんだ。


天文時計の人だかり
気を取り直して、昼食へ。
私は何でも良かったので、画伯に従い、ガイドブックにのるお店へ。
チェコと言えば、ビール。ということを知った私は、
早速、飲んべえの画伯と共に、控えめに330ccのピルスナービールを頼む。
これがなんと、150円くらい。
缶ビールかい?いや、生ビールだい。
ラムチョップを頼んだつもりが、ビフテキになりましたが、まぁOK。
1人1000円行かずに、ワンプレートとビールを頂いちゃいました。

肉は固いが、味は良し。

さて二人はほろ酔いで観光へ。
先におみやげを買うことにして、市場に行ったり、ショッピングセンターに行ったり。
街を散策。

それから、ついに私が楽しみにしていたカフェ参り!
15世紀にハプスブルグ家が王になったのをきっかけに、
アート・文学・音楽の世界がより発展し、カフェ文化もプラハに舞い込む。
いくつかあるカフェの中で有名なのが、Café impérial(カフェ・アンペリアル)。
外観はアールデコ様式建築だが、
カフェのインテリアはアールヌーボー様式も混ざっている見応えのある場所。
ココで私はマスカルポーネのムース〜コーヒーソースに浸して〜(意訳)というのを頂く。
B型の画伯は、18分待ちのアップルタルトをマイペースに注文。
デザートも品の良い甘さ。
ヨーロッパで味わってきたデザートのあのしつこい甘さと訳が違う。
チェコの味覚は日本の味覚と非常に似ていると思った。

ホテルサイドからのカフェ入り口


ちなみに隣にはホテルが続いていて、ここのロビーはアールデコスタイル。
ロマンティックなため息がでちゃうほど、ステキであります。
ホテルのインテリアも見たいなぁ。けど、今回はできません。

小休憩した私たちは、夕暮れの街へ。
トラムに乗りたいという画伯の要望を受け、
トラムに乗って、ミュシャ美術館に向かいます。
美術館自体は小さいですが、
代表作4シーズン、4フルーツ以外の作品や
あまり目にしないデッサンやミュシャが小さい頃に書いた風景画等があり、
見応えありました。
土曜日でしたが、人も少なくゆっくり見ることができました。

夜は近くのホスポダ(居酒屋)に。
18時過ぎだったけど、すでに人がワンサカ。
お決まりのビール(今度は500cc)とチェコ料理をタイラゲ、
画伯は2杯目の500ccをちょろっと行っていました。
これで2人で3,000円くらいだったから、安い!
1つの料理がとてもボリューム感たっぷり。

ローストダックと付け合わせのザワークラウト、チーズ揚げをビールとトモに。


19時過ぎに胃が満タンの状態で外に出て、
今度は夜のイルミネーションを見に、旧市庁舎広場へ。

10メーターはあるクリスマスツリーとライトアップされたティーン教会

モーツァルトも演奏した聖ミクラーシュ教会と広場に集う露店と人
露店はムードを一層盛り上げてくれている。
我々もこの雰囲気に酔い、
さらにホットワインを飲みながら、一時間近く歩いて胃の中を消化。
寒いけど、この雰囲気に温められた私たちは、
徒歩2分、ドア開け5分のアパートに戻り、
泥のように眠るのでありました。

一日目終わりー!









2013年12月29日日曜日

学校最終日

20日がとうとう学校最終日。
15週間通いました。
内容が凝縮しているだけあって、
復習がおっつかず、
これからそう、再度復習が始まります。

そんな学校最終日に、
同じく追加コースをとっている仲間と
Déjeuner(デジュネ:ランチ)しに外に出ることに。
いつも行き当たりばったりなので、
結局この日は日本食レストランに行くことに。
理由は、レストランが学校に一番近かったから。
この日が寒くてリーダー格のMarionの顎がガクガクに震えていた。
ということで、初めての日本食レストランへ。

フランスの日本食レストランの多くは、
日本人以外のアジア人が働いていて、
そしてこれらの人たちはリアル日本食を食べたことがない。
だから、適当きわまりない。
フランス人が日本人シェフのフランス料理を食べたくないのと一緒でしょう。
ただ、日本人シェフは研究熱心だから、実際美味しいですけどね!
そんなのにお金を費やしたくないけど、
今日だけは興味津々で行ってみることにした。

このレストランは13.9€(約2,000円)で、食べ放題。
高いぃ。ホッペがアンパンマン以上に膨らむ。
これなら5€(約700円)でおいしく食べられる中華が良い。

食べ放題と言いつつも、セルフサービスというよりは、
好きなものを頼んで行くスタイル。
私が頼んだのは、カルフォルニアロールと生春巻き。
当たり障りがないからだ。
味は普通。

スシはバラエティに富んでるが、
ほとんどサーモン、いくら、卵、アボガドで、アレンジ。
しかし、うどんを注文したジュリアンのところに、
スシを入れる器に入ったうどんがきたのはビックリ。
そして、酢飯だけも注文できる。 どれだけ酢飯好き?
カルチャーショック。
知らないこともやっぱり多い。


ジュリアンは、午後のSketchUpをキリンを飲んでクリア。


リーダー格のマリオンが、一番スシに詳しかった!おすすめのチーズ巻きはイケた。
真ん中のファビアンは日本食初めてで、海苔が食べれないから、剥がしていた(笑)

スシに飽きた私は、つまみで唐揚げと枝豆を頼んだ。
意外にも枝豆を初めて見た彼らは驚いていた。
それ何?
どうやって食べるの?
おいしいの?
質問が続きましたね…。
これは大豆だよって言ったとき、まったく信じてもらえませんでした。
若干にらまれた気がする。
ファビアンに至っては、ほんとだ、レンズ豆の味がすると…(笑)
噛んでれば、大豆の味少しするでしょ。
食べた感想は、ふ〜んみたいな。
そうよね、冷凍だとしょうがない。
天狗印の枝豆を食べさせてあげたいわー。
湯でたての枝豆とビールは最高なんだけど…。

アメリカ・イギリスに行ったとき、
冷凍で枝豆売ってたから、
フランスでも当然知られていると思っていたけど、違ったみたいです。
皆にもカルチャーショックを与えてやりました!!

いやー楽しい学校生活でした。
まだ提出課題があるので、完全終わりではないですが、
色々な意味で充実しておりました。
こんな面白い人たちと会えたのは、
幸せだったと思います。
これから寂しいです。

みんな、お疲れさま。



2013年12月15日日曜日

箱庭



先週末、事務局のキャロリンからメールが来た。
「模型作成のために靴箱を持ってきてください。」
んー靴箱で模型…って、靴箱ない。
ないので、クラスメートに聞いたけど、
彼女達も探してくれたみたいなんだけど、空箱はないみたい。
仕方ないから、学校近くのブティックにもらいに行く。
意外とほいほいっと渡してくれた。

私がもらって来た靴箱は、22cm×27cm×10cm。
ここに自分の好きな思い描いた庭の模型を作るのが今回の課題。
先生からは、なるべく材料は買わないように存もので制作することを求められた。
ここが今回のポイントだと思った。
存もので作る。
模型屋で材料を買うのはもちろん早くて綺麗だけど、
オーソドックスなものになりかねない。
私もどれだけの模型が作れるのかよくわからないけど、
最後が楽しみで、頑張ることにした。
ちなみに15人いたクラスメートは、最終的に半分くらいしか模型作りに参加していない。
残念ながら、無駄だと思った人もいたようだ。

結局2日間、プラン構成と制作に時間をかけた。
私のテーマは、五感を楽しむ庭。
という結果がコチラ。

(右手前)野菜畑、(右奥)見るための庭、(左奥)ウッドデッキにパーゴラ、水盤、(左手前)リビング

シンボルツリーは、ローズマリーで、コニファーは、スポンジ。いいにおい。

ナタリーの作品。テーマは海に面した庭。模型過ぎないリアルさが新鮮。

ジュリアンの作品。テーマは波。左にある赤い物は楓。それがささる岩はなんとパンのネタ。

私の作品は自慢できる物ではないけど、レアリストさが好評でした。
ナタリーもジュリアンもその他の人の作品も、とってもステキでした。
やっぱりお金をかけないでつくるという点が、
みんなのクリエイティビティを覗かせてくれて一層感激でした。

先生が言っていたのは、
一番大切なのは、コンセプト。
いくら植物に関する知識があっても、肝心のコンセプトがないとすべてが崩れる。
バラバラで 統一感のないものになる。だから、総じて配置が要なんだと。
そうそう。そうですよね。
模型をつくる段階で、
配置や植物の種類とか水盤の大きさとか位置とか色々と考えさせられた。
それに当てはまるような植物を後から自分で調べればいい。
手を動かしてまずは感覚を掴むことが大切。

時間内に終わらせないといけないから、
とにかくアタマと集中力を使ったー。
でも達成感バッチリ。
挑戦してよかった。

ちなみに私が買った材料は、1ユーロのスポンジのみ。
あとは、道端の落ち葉を拾ったり、
工事現場から瓦礫を採取して来たジュリアンに分けてもらったり。
街の植栽をこんなに意識して眺めながら歩いたは、初めてでした。
きっと周りからみたら、不審者だったろうと。。。
気付かないうちに植栽近くに犬の糞を踏みそうになったりしました。

翌日の土曜日は、ほんっとに嫌気を吹っ飛ばすくらい晴れ。
友達のシンディーとサンジェルマンでお茶を楽しみました。
爽快感たっぷり!


大胆な冬晴れ。陽が強いけど、風邪は寒い。こんな中で散歩は気持ちいい。

師走の週末、サンジェルマン。
収納から、ギャルソンが。隠し部屋発見。










2013年12月10日火曜日

庭デコクラス

先週から始まった庭デコクラスは、
とても私の興味をひく。ので少しお話。

庭デココースが目指すものは、
ペイザジスト(外構デザイナー)でもなく、庭師でもなく、コンセプター。
お庭の大まかなコンセプトと配置案を考え、顧客とのイメージをすりあわせて行く。
あとはペイサジストに詳細を展開してもらう。
だから、専門的過ぎず、庭デザインの全般的な基礎を学ぶ。
仕事をある程度割り切る。

まずは、植物の種類から始まった。
これが…きつい。
1日中、訳の分からない植物の名前とその性質を説明された。
植物の名前は、学名と俗名があり、学名はラテン語で表記される。
そして学名で言われるから、アタマの中は真っ白。
まぁフランス語で言われてもよくわからないけど。
先生、一生懸命なんだけど。。
眠気が襲って起きるのが大変でした。

ただ学名には、Japonica(ジャポニカ)とつくものがたくさんあることに驚かされた。
日本原産のものもあれば、 日本原産でないけどそう言われているものもある。
学名は早い者勝ち。
16世紀〜19世紀にかけて特に植物学は発展し、
江戸時代に鎖国状態であった日本からはシーボルトが情報を展開した。
当時の日本語が学名としてラテン語風になっていたりするからまた面白い。
例えば、一番私が好きだったのは、よく緑のあるところで見る「ヤツデ」(八ツ手)。
ラテン語では< fatsia japonica > (ファッシア ジャポニカ)。
ファッシアは八(ハチ)から来ているらしい。
聞き間違いって色々あるけど、こんな安易さもなかなか良い。

ヤツデ

他にも庭の種類等を学んだ。日本式庭園はもちろんでてくる。
唯一日本人の私に、先生が質問。
「日本庭園は色々タイプあるけど、知ってる?」と先生。
まぁ有名なのは、Jardin sec (ジャルダンセック:枯山水のある庭のこと)だから、
無難に回答。
「大きく分けていうと、もう一つあるけど、知ってる? 」
…え?んー、何を指しているんだろう?と自分の家の庭を想像するがよくわからない。
そうすると、先生。
「Jardin de thé(ジャルダンデュテ)だよ」
…???茶庭?茶畑?ないよ、そんなの普通の家に。

私のイマジネーションは、ちょっとすっ飛ばしすぎていたみたい。
彼が言うには、次のような庭を指します。
「縁側のある家で、縁側から眺める庭、
 つまり腰をおろして茶を嗜みながら、楽しむ庭。」
そうですか、そうですか。
その表現、素敵ですねー。目に浮かびます。
なんともフランス人らしいポエティックな表現です。
以上、フランス人が認識している日本の庭の分類です。


ちなみに、日本のスタイルっていうと必ず「zen(ゼン・禅)」という言葉を聞く。
そんなにミニマムで洗練された庭やインテリアなんて、
日本の家庭で見たことないですけどね。
あくまで彼らの中では、数世紀前の京都の寺が現在流行のzenです。
とにかく、ゲイシャ・サムライ・スシ同様、ゼン、ゼン言います。


さて、クラスでは強行スケジュールの中、半日使って卸売市場に。
(東京で言うと、太田市場。)
現地集合7時半。パリ郊外にあるので、5時起き。
植物だけでなく、野菜、肉、魚そして家具や装飾用品も売っている
欧州でも規模の大きいマルシェらしいです。
先生が、一つ一つ丁寧に、よく庭デコに使う植物を 説明してくれるので、
ビジュアルで植物を体験しました。わかりすい。
このマルシェはなかなか良いです。今後、商売に使えそうです。


先生は庭師。ちょっと外構屋は世界共通かなっていう雰囲気です。

オリーブをに本風NIWAKI(庭木)カット。これで…いいんでしょうか?

さて、コレを発端に改めて魅せられた庭デコ。
子供の頃、千葉のおばあちゃんがとても花や木を大切にしているのを知りながら、
自分にとっては、毎夕に頼まれる水やりが面倒だとも思っていました。
31年経って、今日クラスで「自分の知っている庭」をテーマに図面を起こしました。
私の中では庭といえば、
やっぱり小さい頃に見ていた千葉の家しかアタマに出てきません。
梅、楓、モクレン、柿、椿…そこにあった植物を一つ一つ思い出しながら、
出来上がった図面をプレゼンすると、
Versaille(ヴェルサイユ)も手がけているペイサジストの先生が、
一言、「よく考えられている」と。
私も書きながら、なんて説明しようかな…って思いながら、
手を進めていたけど、うちの庭ってよくみると、
説明しやすい意味のある配置になっている。
それが故意でなくても、なんとなく嬉しかった。
やはり人の思いが入ると、庭も意味のある特別なものになるんだなと
改めて思いました。


庭はインテリアの一部です。
だから私も、やっぱりやろう。


















2013年12月3日火曜日

テスト終わったー!!

気付いてみたら、ブログ更新1ヶ月以上しておらず…。
怠け癖…だけではなく。
色々ありました。

そう先週末、ようやくテストが終わり、
異様に高まる緊張感から解放されました!
11月29日昼12時までにプレゼン資料提出、
11月30日に15分間のプロジェクトのプレゼンが私を待っていました。

久しぶりにストレスと言えるストレスが来ました。

プロジェクト内容は、あるクライアントについて、
リノベーションの提案と見積り提出。
もちろん準備は2ヶ月前から少しずつ進めていたけど、
もうやってもやっても終わらない…。
本当に終わるのかと思いつつも、
直前までクラスメイトに何かが余裕でAutoCADとSketchupを教えていた私。
このクラスメイトが言っても言ってもメモりもしないから、
後で同じことを何度も聞く。
教えていて、これはこれでストレスがたまる。

ふと己のタスクに目を向けると、
私はどぉっでもいい、細かいことを気にするタイプなので、
それをやっつけてると、もう時間がかかるかかる。
それでも3日3晩、パソコンと机に向かって、
超集中したら、なんとか提出できる状態まで来ました。
ほとんどご飯も食べなかったから、
今はりんごとおかゆから食生活をやり直しております。

プレゼン資料はデータとプリントアウトしたポートフォリオの両方で提出するので、
スキャンをしたり、プリントアウトしたりしなくてはならなかったのですが、
またこれが高い。し、時間がかかる!
近くのOffice Dépot(オフィス・デポ)でスキャンを頼もうと思ったら、
スキャン1枚3€(約420円)!
A3カラーコピー1枚3.3€(約560円)!
もうぼったくりとしか言いようがありません。
スキャンは、小々荒手ですがデジカメで済ませ、Photoshopで手直し。
それでもプリントアウトは必要なので、ネットで安いところを探して、
わざわざ電車のって40分くらい離れたところに行きました。
なにせ46ページをプリントアウトしなきゃいけなかったので、
40分かけても安い方に行かなければなりません。
そしてその上に、印刷屋さんで並んだので、
時間がないのに、さらにもう時間が読めなくて読めくて。
もうイライラが止まりません。
いやー、つくづく日本って素晴らしいと思いました。
24時間営業のKinko'sがあるだけ仕事のはかどりが違います。
こちらの印刷屋さんは通常月〜金の19時まで、
日曜はもちろん土曜はほとんど空いてない。
めちゃめちゃ段取りよく進めないと、
私のようになります。
教訓は、フランスで直前準備は禁物です。

その上、ようやくたどり着いたプレゼンでは、
超せっかちな男性2人が私の審査員。
私のフランス語は全く相手にされず、
もう目の前のプレゼン資料に彼らは目を奪われ、次々質問される。
プレゼンってこっちが、説明するんじゃないのか?っと思いつつ、
とりあえず興味を持ってもらえる内容でよかったということで終わりたい。

とにかく図面を見て”propre”(きれい=見やすい、正確)と連発した彼ら。
それが日本人のキャラクターですって言っておきましたー。
他の人がどれだけ、propreではないかは私も残念ながら想像がつきました。
フランス人って基本的にざっくり、ばっさりですもの。
ちゃんと5年間建築を勉強した人じゃないと、
そういうものだと理解した人でないと、できないだろうな。

と、人を批判する前に、
私もフランス語が全然相手にされなかったので、
(というか私は舌がそこまで早く回らないんだ! )
これから今一度フランス語自体を頑張ってみようと顧みる結果に至りました。

本日から、Décoration d'extérieur(お庭のデコレーション)コースが始まり、
心機一転頑張りたいと思います。


デッドライン前で時間が足りないにも関わらず、余裕で行ってしまったマダムのコンサート。

クリスマス色全快のシャンゼリゼ












2013年10月20日日曜日

うつろい

先週半ばくらいから、寒くなって来た。
それでも13度前後。
マルティニーク育ちのMagaliは、
冬で20度という経験しかないから、
彼女にとっては極寒に入る温度だ。
着る服もないから、様子見で買い足しているらしい。

金曜日朝には、霧が出た。
50メートル先は、見えない。
頬さす程度のくらいの寒さだから、
歩けばまだまだ絶えられる冷たさだ。
私には身が引き締まる心地よい寒さだ。

朝、Gard de Nord近く。


学校帰りにクラスメートのFabienne(ファビエンヌ)に付き合って、
Republique(レピュビュリック)まで
世界堂みたいな文房具屋さんへお買い物に付き合う。
彼女は地図が読めないから、説明するのが酷で一緒に行った方が早い。

何が欲しいかって、
砂消しゴムが欲しいんですって。
私も買う物があったし、ちょうどいい。

学校から15分程度の距離にあるそのお店までの間、
他愛ない会話がつづくのだが、
人にお願いしている割に、
気分が悪いから早く帰りたいから、どのくらいで帰れるのかとか聞いてくる。
自分勝手な発言に驚きを隠せない。

と思いつつも、気分悪いなら、自分も早くしなきゃと思い、
優柔不断な私が、とりあえず自分の欲しいパステルを即決した。
傍ら、彼女は砂消しゴムはもちろんだが、
予想通り、他の物に目が行き、
時間を気にしている彼女が一番買い物が長かったりする。
どーぞ、どーぞ。
好きなだけ見て買ってください。

待っている間に、視界に入ったCopic(コピック)集団。
パースやデッサン用に使われる着色ペンだが、こちら日本製。
アニメーターにもよく使われている。
店の中でも中心に位置するCopicは、
店の扉を開くと真っ先に目に飛び込み、異様な存在感を放っている。

「私、Copicですけど?クォリティは最高よ。だって日本製だもの。」
1本800円くらいする。高いよ!
日本だと1本350円前後だった気がする。
1本くらいならいいけど、
グラデーションを付けるために最低でも3本は必要だから、
それだけでも価格に大きな差が開いてくる。

日本製がいいのかどうなのかわからないが、
確かに私も会社勤めのときは何も知らずこれ使っていたし、
パースのクラスでも美術大を出た先生がコピックは一番良いと言っていた。
なんだか嬉しい。自分が褒められたような気分だ。(全く関係ないけど)

余談だが、その先生がとても実用的だと勧めたパースの書き方本が、
長谷川矩祥(はせがわのりよし)氏の本だった。
彼はハウジングエージェンシーでパース講座を持っている先生だ。
ボザール(美術大学)を出た先生がフランス人のパース本ではなく、
日本人のパース本を勧めるとは…!!
なんだかこちらも嬉しかった。(全く関係ないけど)
私以外のクラスメイトのほとんどが買っているので、いい売上になったはずだ。
ちなみに価格は嬉しくなかった。


で、
結局Fabienneの買い物が終わって、外に出ると、
曇っていた空が一転、青空に。
夕日がRepublique周辺の建物を照らし、
なんとも言えない色並みを見せてくれる。
表情が豊かな街です。

夕日が焼き付けられるRépubliqueの建物


これを見たFabienneは、気分が良くなったらしく、
この後(他のお店で)買い物しない?という発言をした。

おやおや、
天気も彼女も移ろいやすいことですこと。




2013年10月13日日曜日

ジャブ

先週、テキスタイルのJAB(ジャブ)ショールームに
授業の一環として皆で行って来た。
メトロSentier近くのRue de mail沿いにある。

そしてこのRue de mailは、
名を持つテキスタイルブランドが軒並みそろえる、
インテリアデザイナーにはとても興味深い通りである。
心が踊る通り。


朝10時集合のJABまで家からもちろん歩いた。

集合時間ギリギリなのに、途中で出会ったジェレミーは、
急いでいるにも関わらず、
寒いから一杯コーヒー飲んで行こうという。
そんな呑気さが好きだ。
でも私は彼を引っ張って、JABまで急いだ。
その後ちょっと迷ったから、
コーヒーなんて飲まなくて良かった。


すべてに共通して言えることだが、
同じブランドでも日本のショールームとはやっぱり格が違う。
置いている物は同じなのに、空間の使い方、いうなればインテリアが違う。
ちなみに日本では広尾のナショナルインテリアが正規代理店で、
ここにもM社にいたときに、研修に行っている。
F氏にお世話になったなぁ。なんて、振り返りつつ。


A氏のシャツはどこで買ったのか聞きたかった。。。

今回説明をしてくれたのは、写真にうつるおひげの濃いA氏。
言ってることは半分くらいしかわからないけど、
話し方といい、
着ているシャツといい、ジャケットといい、
上品でセンシティブなステキな人でした。
ついでに、もみあげ下側に、
私と同じ渦(私の場合は産毛)ができていたので、
とても親近感がわいた。
あんまりいないよ。



話の展開は、商品を見せながら、
繊維の特徴を教えてくれるやり方。
まぁ、こんなもんだと思っていたけど、
やっぱりステキなテキスタイルを目の前にすると、
みんなうっとり。



地階には、大きなリラックススペースが。
みんなここでどーんとお尻をおろし、
アンケートを書きました。

やることは、どこでも一緒だな。

この間、見積りの作成方法を習った。
やっぱり個人でやるのと組織でやるのとは訳が違う。
ボリューム満点。
ただ、フランスは個人や小さなインテリアデザイン事務所が多いから、
その人たちをアシストする積算・発注方法等が結構あるようだ。
このJABもその一つ。
とりあえずフランス流を学んでおくか。

心揺さぶるカーテンの生地を目の前にしても
積算と発注のことが気になってアタマがいっぱい。

その後は、近くのブラッスリーで、
久しぶりのお肉、
La bouef rôti burguignon(ローストした牛肉を煮込んだもの)を食べて
元気回復。
雨の中を家路に着くのでした。



2013年10月11日金曜日

タタキィ

この間、Emmaとサンマルタン運河近くのLe verre voléというお店に行った。
いつも私は彼女にお店選びを任せてしまっている。
なにせ彼女は、パリ暦10年。
そんじょそこらの私では太刀打ちできない情報を持っているからだ。

暗すぎて見えないですね。


パリには珍しく2時間制のそのお店は、
予約なしでは入れないお店だった。
そんな事情は知らない私は、
何不自由なくお店に入って、
Emmaの後ろ姿を確認して、
「Bonsoir, Emma, ça va?」と言う。
 ひとたび着座すれば、入り口から人がどんどん来るのが見える。
そしてその8割方が追い返されていて、よく聞いてみれば、
21時半まで待っていただければ…と言われている。
どこかで聞いたこのあるセリフ。
そう、恵比寿のもつ鍋「蟻月」。
よく待った…なぁ。

さて、なぜこのお店が人気があるかというと、
la cuisine Franco-japonaiseにある。
日本人シェフがいて、フランコジャポネ料理をつくる。
彼は有名らしい。
彼がいない日もあるらしく、
彼がいない日の料理はまずいといって帰る人がいるようだ。
彼の名前はわからないので、彼にする。
(聞いておけばよかった。)

カウンター越しの彼。

彼の Tataki de Bonito(タタキドュボニート)を食べた。
かつおのタタキ。

Servantの「タタキィ」
Emmaの「タタキィ」
私の「タタキ」

前者 フランス語発音でタタキは、とってもかわいらしい食べ物に聞こえる。
英語のトゥナ(ツナ)みたいな。
だけど、タタキを音だけで聞くと日本語では強そうな。
その矛盾が私には面白く思えた。

タタキィは手前。
そして味はというと、もちろん美味しい。
酢醤油ニンニクでなく岩塩と、大葉でなく香菜とで食べる。
日本で食べるより、柔らかくて肉厚で、マシュマロ食べてる食感。
で、この塩がかなりヴィヴィッドに鰹を生き返らせていました。
私がこの塩のシオさ加減に驚いていると、
Emmaはすかさず、
「これ南フランスの塩だと思う。」
「すごい!さすが料理人の娘。そこまでわかるか。」
と、こっちにも驚き。

ちなみに付け合わせのマッシュポテトみたいなこのお料理。
セロリ入りマッシュポテトでした。
これがまた合う。
そしてビールじゃなくて、
赤ワインが結構合う。
タタキィ フランコ ジャポネー、エキゾティック。


私たちの後に入って来た隣のマダムたちも、
私たちの高い声を聞いて、タタキィ頼んでました。
いや、ホントにこれ美味しい。

シーフードなんて、ツナ缶くらいしか食べてない。
やっぱり、魚美味しいなーと心を郷里に戻していると、
魚久の銀ダラ西京焼が急に食べたくなった。
Ça me manque bien.

負けじと、ここでしか食べられないもの食べて行きますから!
ちなみに、このお店は、目黒にも出店しています。
よろしければ→コチラ
彼は、パリで料理していなときは、目黒でしているかも。
彼のタタキィ、食べられるかな?

















2013年10月7日月曜日

30の終わりに…part2

「アロー?マダム○○?ジュゥスイクニコ。
部屋に鍵を忘れたまま、家を出てしまって、部屋に入れなくなった。
マダムがいなかったので、いつ帰ってくるのか知りたいのですが…」
「オー、パ ボン ヌーベル(よくない知らせね)。
 今、ロシアなの。日曜の夜に帰るのよ。どうしましょう。」
「えーーーーーーーー?」

言葉をなくす。
 ロシアですか??それは遠くにいらっしゃりますねぇ。
んー着の身着のままで、お金も持ってないから、
どうしよう?色々なことがアタマをよぎる。

「ちょっと近くに住む(といってもパリから400キロ)姉に頼もうかしら。。」
など色々とマダムのアイディア発言が続く…しかし結局、
「また10分後くらいに掛け直すわ!OK?」
マダムに頼るしかない。
私の大事な週末の行方。
マダムの次の電話を待つまで、
レントゲン写真でドアを開けるシミュレーションをした。
「鍵でも開けるの容易じゃないのに、これで開くのかー??」
しかし、方法があるなら、それでもやるしかなかった。

マダムから再度着信。
「アロ?gardienneが私の家の鍵を持ってるから、それで一緒に入って
あなたの部屋の鍵を取りに行きなさい。玄関脇の棚にあるから。
10分後にgardienneのところに行くって行ったから、急いで行って!
もし場所がわからなかったら、また電話して。急いでね!」

オー、マダムありがとー。
それ、とってもシンプルでボニデー(bonne idée:グッドアイディア)です。
Emmaにお礼を言って、
とりあえず家に急いで向かう。
後は、もうその指示通りで難なく鍵発見。
落ち着いてお部屋に入れました。
結局お家に入れたのは、22時半。
Emma、マダムにお礼のメッセージを送り、
それだけでもう疲れてしまってベッドにバタン。

31歳の朝は、自分の部屋で、いつも通り、
ヨーロピアンな香りを嗅ぐことができました。
ふー、シャワーのお湯がでないとか文句言わないでよかった。
またもや皆様に助けられた私でした。
ふぅ。









30の終わりに…part-1

金曜日の夜はコインランドリーに行く。
土日は、最大限休みたいし、
休みの朝に、部屋干しした後に残る洗剤のやさしい香りが
気持ちを安らかにしてくれるからだ。
コーヒーとこの洗剤の香りが混ざると、
私にとって、とてもヨーロピアンな香りとなる。
結構、このポイントは外せない。

そして今週もいつも通り、
コインランドリーに行き、
終わる時間を見計らって、取りに行こうとした。
そこで事故が起きた。

「ガチャン」
「???」
おっとー、鍵を閉めようにも鍵がない。
こちらの玄関は、ホテルと同じように、オートロック。
その上でさらにロックをかける。
やってしまった。鍵がない。
完全にLOCKED OUT。

でも落ち着いて下に住む大家さんマダムのところに。
そうそう、彼女が鍵を持っている。

階段を下りて、彼女の玄関ドアを見ると少し嫌な予感がした。
土汚れをとるヤシ製玄関マットの下に、
朝10時に配られるお手紙群が白い姿を見せていたからだ。
金曜の朝に、早くから出て行って、
夜8時にいない…ってもしや旅行か???

そんな予感を持ちつつも、わずかな期待をして、
インターホンを鳴らす!
ならす。
ナラす。。。
ノー…、でない…。やっぱり?

洗濯物を取りに行くだけの私は、小銭入れしか持ってない。
アタマをフル回転させて、まずは洗濯物を取り行くことにした。
洋服達を置き去りにはできない。
そしてまた戻り、暗い階段に座ってこの先を考える。。
まずは、gardienne(ガルディエンヌ:管理人)に鍵を持っていないか聞こう。
んー軽くあしらわれた。
「鍵?持ってないわよ?マダムに聞いた?私は知らない。」
頼りにならない管理人。

とにかくマダムに連絡をとろうにも携帯もないから、
近くに住むEmmaのところに行くことにした。
Emmaの家に行ったことがあるから、幸いにも夜訪することができた。
エレベーターなしのアパートを7階分まで息を切らせながら、
期待を込めて上る。
そしてインターホン。ならす、ならす、出ない。
ふううう。
夜8時30分にいないとなると、彼女は食事に行ってるかなー。
いつものパターンだと10時半すぎでないと帰ってこない。
2時間は待つな…。
ということで、気を取り直して階段を下りて、アパートのパティオで座り、
団らんで漏れてくる暖かい声を耳にしながら、
共有玄関ドアが開く度にEmmaー!と心の中で叫んだ。

15分くらい経った頃、なんとEmmaが現れた。
Emmaーと声に出して叫んだ。
もちろん、Emmaは私がいることに驚く。
彼女は落ち着いて話を聞いてくれたけど、
ファイルで玄関ドア空くよ?というわけのわからないアドバイスをくれた。
やったことがわからないから、どうやるのか分からないから教えてと聞くと、
youtubeにアップロードされているレントゲン写真を使った鍵の開け方を見た。
しかし素朴な疑問。

「レントゲン写真ないでしょ??」
「J'en ai un.(持ってるよ。)」
「え?」

そう、フランスでは個人で保管するらしい。1回撮るのも高いから。
もう状況が状況だけに、マダムに連絡してダメだったら、
じゃあ、やってみるかということに。

そしてマダムに運命のコール。
ツーーーー、ツーーーー、ツーーーー。








2013年9月29日日曜日

イクメン

私の通学手段は徒歩。
パリ8区からパリ10区を縦断してます。

「定期買えばいいじゃない、便利だし。」
よく聞く。
「そうよねー、便利ねー。」
でも、 1ヶ月€65(約8,700円)は無職には高い。
そして運動・健康維持のためにも歩くことにした。
またここではストやら事故やらが多いので、
一番時間が読める。遅刻しない。


歩いている距離は、片道約3km、40分。
渋谷から目黒くらいの距離。

最大のメリットは様々な風景を見たり、聞いたりできるということだ。
なぜかというと、こういうルートを横断しているからだ。
quartier bobo
(ブルジョア・ボヘミアン:お金持ち・アーティストが住む地域)

quartier chaude
(歌舞伎町のような風俗街)

quartier Indienne
(インド系の人が住む地域)

quartier bobo

Stalingrad近く(la quartier Indienne)
そんな街を視・聴・嗅覚で体験できる。

しかし一番嫌なのは、帰りのインド人街だ。
特に働いていなそうな若者インド系人(ほとんど男)が、
通行人を刺すように見つめるからだ。
なんでそんなに見るのか!(私に限らない)
ここは慣れない。

反面、よく見る風景で好きなのは、
バギーを押したり、子供を抱っこする出勤前のイクメンだ。
幼稚園の前に見送りにくるほとんどは男性。

信号待ちのイクメン。きっと知らない人同士だと。

私のクラスにも4歳と20ヶ月のこどもを持つ33歳の女性がいる。
通学に1時間半かけて通う彼女が言うには、
旦那に本当に助けられていると…。
なんだかこういう生活の仕方が当然のように存在する家族観がステキ。


イクメン同士が集まっている光景が何とも微笑ましい。
フランスにイケメンは99%いないと思っていたけど、
イクメンはイケメンに見えてきます。
エネルギーを分けてもらえる光景です。





2013年9月26日木曜日

ピクニック

私のクラスのご紹介。
私を含め15人。4人が男性で11人が女性。

国籍は結構豊か。
フランス(10)
セネガル(1)
マルティニーク(1)
コロンビア(1)
ロシア(1)
日本(1)

年齢も幅広い。
26〜たぶん50くらい。(女性なのでもはや聞けない。)
26歳の次は私なので、どちらかというと大人(社会経験のある成熟した人)が多い。
私が成熟しているかは別にして、
とにかく思ったのがさまざまな人生経験があるからこそ、
心が豊か。
そしてなんというか、旅館の女将みたいに皆よく気付く。
例えば私も1人で休憩時間にわからない単語を調べてても、
誰かが必ず声をかけてくれて、外で一緒にコーヒー飲まないかと誘われる。
だから単語を家に帰るまで調べられないのもあるけど、
誘われたら行くしかない。とっても大切なコミュニケーションの場だ。

気付いた上に、すぐ行動に出る。
初日から何度となくそういう姿を目の当たりにして来た。
そしてまた思う。
この人たちを一括りで、フランス人と言っていいのか。
もしや実はリッツやディズニーで働いた経験が?

そう、今日はCanal St.Martin(サンマルタン運が)にピクニック。
12時50分から仕掛かり中のプランを片付け始め、
13時には学校を出発。
この時間の感覚、結構好き。

久しぶりの26度。他にもたくさんの人が陽なたでランチを。

「ごめんね、ちょっと柔らかいかも。どう?」なんてステキなコメント付。





そして同じクラスの男性はすごい。
今日は、手作りのレモンケーキとチョコケーキが出た。
月曜日には、他の男性の手作りのバームクーヘンが出て来た。

たしかにインテリアデザインを仕事にしたいと思う男性は、
ゲイっぽい(もしくは中性的な人)が多いだろうと思っていたけど、
ドンピシャリ。
女性よりも女性らしいと思ってしまうこのホスピタリティ。
住まいを提案する人として欠かせない性質だ。
だからといって、私はお菓子を作って配るようなことはできない。
それは才能でもある、と言い聞かせる。

深緑の腰掛けに座るクラスメイトは皆たわいもない話をしている体に見えて、
こんな時間に、生きる上でとっても大切なことを話していた。
また思う。
本当に一括りでフランス人と言っていいのか。


「集中と解放」、
この2つが凝縮して存在する日でした。
だから、充実感がすごいのかな。。。

これからも残されている数ヶ月間、
彼らの観察は引き続き行わせていただきます。



2013年9月23日月曜日

カンソウ

パリに戻って新生活がスタートしてから2週間。
ようやく自分のペースが取れて来た。
ふぅぅぅ。

私の住む場所は、フランス西部に向かう列車の発着駅Saint-Lazaireの近く。
フランスに到着した日は土曜日夜で、
次の日日曜日は店もろくに空いていないから、
日本出発間際につくったサンドイッチが約1日経過後、私の空腹を満たし、
そして青いパリの空が気分をリフレッシュさせてくれました。


近くのLe point de l'Europeより見渡すSaint-Lazaire
Gustave Caillebotte "Le point de l'Europe" カイユボット展

次の日から始まった学校生活は、
予想以上に大変だった。

なぜかというと…
「時間以内にタスクを終わらせること」が最低の必要命題であるからだ。
フランス人てこんなに時間厳守なの??
あれ?ここのフランス人は違う人種?

学校は9時30分〜17時30分まで1時間の昼休憩を挟み、
あとは小休憩が2回。

その17時30分には快くピッタリ終わるために、
すべては17時20分までに終わらせるという徹底主義。
居残り…なんてもってのほか。
私はどちらかというと要領の良い方だと思って来たけど、
クラスメイトはもっと要領の良かった。
作品はきちんとできているかというと、
それが皆できている。しかもスゴイ!圧巻。

こんなに効率の良い人たちとは思わなかった。
巷で溢れているあののんびり感はどこからくるのか。
さっぱりわからなくなった。

与えられて時間内にできなかったら、
家に持ち帰ってやろうなんて考えていたけど、
そんなのは許されもしない。
スタートからフランス人を尊敬する日々が続く。

そして、このクラスメイト(14人いますが)、
めっちゃくちゃいい人ばっかり。
なんだ、この結束感?
なんだか私、恵まれているみたい。
このネタは後々公開していきます。

学校近くのCanal St.Martinで釣りする人たち。


そして授業に7時間近く集中して、疲労しきった私が帰って、
休息のシャワーを浴びようにもお湯がでるのは5分位だけ。
日本の皆さん、瞬間式給湯は本当に素晴らしいです。
貯湯式給湯でも私の部屋では5分くらいしか持たない小さいやつみたい。
最初は我慢して水でシャワーを浴びていたら、
乾燥がひどくなって、お肌がボロボロに。
ヒートテックの化学繊維が、私を刺激し始めました。
そして象の肌のように。

今は2回に分けてあったかいお湯を浴びて、
ベビーのお尻拭き後に塗る肌に優しいクリームで、
全身を包み込むように塗っています。
1週間ほど続けたら、ようやく皮膚が回復してきました。
乾燥はほんっとに大敵。

シワの一本、二本はすぐにできそう。
アタマにシワが欲しい。













2013年7月10日水曜日

マルゴー


サンテミリオンに引き続き、
次に参加したのがJournée groumande à Margaux.
そうです、マルゴー。


Margauxと言えば、
Médoc(メドック)地区の格付けPremier cru classé(一番上)の
Chateau Margaux(シャトーマルゴー)が有名。
メドック地区(ジロンド川左岸)では1855年にナポレオン3世の指令により、
ワインの格付けを行い、それ以降一切更新されていない。(笑)
だから、160年以上経っている今でも同じ格付けなため、
現在では、格付けクラスとワインのクオリティが、 異なる場合があり、
それが価格と質のバランスに矛盾を生じさせている。
ただし、Premier cru classéはそのマークに恥じない味を持っているのは確かだ。


そして面白いことに、
Chateaux mouton Rothschild(シャトームートンロートシルト)だけが、
1973年にPremier cru classéに格上げされる例外を受けた。
もちろん私は試飲したことがないのでわからないが、
味の評価とロスチャイルド家の大きな権力によって為された技という。
権力はぁ、すごい。
 

前置き長いですが、いくつか有名どころのあるMédoc地区で
私が今回訪れたのは、Margauxのみ。
そして、Chateaux Margauxなんて、外観をとっただけ。



偉大なシャトー

ただ、いつもは門がしまっているのに、
この日は所有者が戻ってくるとか何とかで、
ゲートがあいていた。
そして私は黒ピカのベンツSクラスに乗って、
颯爽とこのゲート内にピットインしていく姿をたまたま見かけてしまった。
やっぱり違うなー、クラスが(笑)


そしてそして私が行ったシャトーはこの日はなんと4つ!!
もはや4つも行ってしまうと名前すらきちんと言えず、
何が特徴何だか良く分からなくなってくる。

とりあえず、書き残すと、
1) Château Prieuré-Lichine (シャトープリウレリシン)
2) Château Rauzan-Gassies (シャトーロウザンガシィズ)
3) Château Tour de Bessan (シャトートゥールドゥベッサン)
4) Château Kirwan (シャトーキールワォン)
と、こんなところ。 



企画をした観光局は、参加者がわけがわからなくなるのを想定し、
一応それぞれのシャトーで何を学ぶかをそれぞれ分けていた。
1)と2)では、醸造の流れ。(これは昨日教わっていた)
3)と4)では、ブラインドテイスティング。
3)では、単品種で作られたワイン(カベルネソーヴィニオンとメルロー)を
まず初めに試飲し、 今度は説明員さんがそれらをブレンドし、
それを飲んだ私たちが、ソーヴィニオンとメルローの割合を当てるというものだった。
これが結構面白い。
パーテンセージこそ外れたものの、何が多めに入っているかは当てられた。


同じテーブルにいたベルギー人4人組と、
「きみ、何パーセントだと思う?」
「なんで?」
「おれも、そう思うんだよ。」
とか、一丁前にワインについて意見を交換し合ったのが 楽しい記憶。



4)では、品種だけでなく、ヴィンテージ(収穫年)を当てるゲームをした。
これも年数までは正確に言えないが、
若め、古め…等とそれぞれの特徴を
色・香り・味で判断しながら推測して行くのが、エキサイティング!
1人でやるのも寂しいから、
こういう感じのイベントは1人で参加している私も
心が躍る。


1)シャトーは、所有者のマニアックな暖炉扉が壁に飾られていた。
1)のシャトーで初めて見たロウのシーリング作業

2)のシャトーは他に比べてあまり特徴が…ない。

3)のシャトーは今までに見たことのないモダンなワイン蔵 

3)のシャトーでは、品種の割合を当てっこするというイベントが!

4)のシャトーは何と言っても庭がきれい


4)のシャトーでの試飲。水色ショールを羽織ったのが、ガイドのマンマ 

と、結局シャトーの特徴というより、建物や庭、dégustationの思い出が強い。
そして、ガイドのマンマ。
いやぁーこの人は経歴が長いせいか、とにかく強いという印象。
フランスのおばちゃんというおばちゃんを久しぶりに見た。
運転手のおじちゃんは道をちょっとでも間違うと罵倒されていた。
各シャトーの説明員たちは、マンマの説明と通訳に色んな意味で圧倒されていた。
ただ、この人の類希なる気遣いのお陰で、
色々なことを知れたのも事実。
フランスのマンマもすごい。

そして、フランスに行く予定をしている方は、
ぜひボルドーまで足を伸ばしてこうしたイベントに参加されることをお勧めします。
2015年には、パリーボルドー間のTGV(新幹線)が3時間のところが2時間になるそう。
1泊2日あれば、少しはここを満喫できそうだ。


そして、この日の夜もおいしい夕飯とワインを楽しむのでありました。
ふふふ



ボルドー、最高!
 


2013年7月9日火曜日

サンテミリオン

Bordeaux  (ボルドー)
ちょうど先週の今頃旅していた場所。
天候にも恵まれ、最高のPetit Vacanceを過ごせた。

ボルドーに行った理由は2つ。
1つは、間違いなくシャトー(ワイン生産者)訪問。
もう1つは、フランス語の先生がそこに住んでいたので訪問兼ステイ。
という、単純な理由。

シャトーを訪問するにも足がないので、
今回は観光局が主催するdes circuits vignobles(ワイン畑訪問)に申込。
私はSAINT-EMILION, route du patrimoine(サンテミリオン)をまず選択。
お値段は、昼食付き100€ほど。さらっとカードで切った。
少し値が張るが、生産者を訪ねられる機会は滅多にないから、奮発。
だけど今は心配。


サンテミリオンの街自体は世界遺産に登録されている。
敬虔なカソリック教徒が教会に収めるワインを生産していて、
その味が評判になり、ワイン産業が発展。
もともと岩を削って作られたモノリス教会がシンボルだったが、
宗教権力が弱体化するとワイン産業で成り立つようになったという。
ここら辺の話は調べるともっと面白い話が出てきます。

街のシンボルーモノリス教会

モノリス教会から見た街全体

小高い丘が一つの街になっているサンテミリオン


サンテミリオンでシャトーと言えば、premier A grand cru classéに位置づけられる
Chateau Cheval Blanc(シャトーシュヴァルブロン)。
 2012年にChristian de Portzamparc(クリスチャンデュポルツァンパルク)が
デザインしたモダンなワイン蔵が有名。
ツアーの訪問場所には含まれてないから、今回は訪問できないのが残念。
ただ私はバスからちらっと見た。あの流線型の建物を。
だけど、もう一回ちゃんと見たい…。
本当に一瞬だったから(笑)


実際に訪問したシャトーは2つ。
Premier Grand cru classéに位置づけられる Chateau CANON(シャトーキャノン)とGrand cru classé のChateau Haut-Sarpe(シャトーオサルプ)。


Chateau CANONは、シャネルが所有している。
建築物の中に、シャネルブルーといわれるカラーがアクセントとして、
いくつか使われていた。
なんかやっぱりうまくまとめてるのよね。クール。ブランドに合っています。
 
説明員のお姉さんがかわいくて、まぁサングラスがよく似合って。
もちろん説明もうまいから、初日でシャトーでのおおまかな生産過程は理解しました。
あとは、生産方法がシャトーによって少しずつ違うだけということも。
最後のお楽しみのdégustation(デグスタション・試飲)は、
2007年のセカンドだったからか、美味しくありませんでしたー。とほ。
ココの品種はメルロー80%、カベルネフラン20%で飲みやすくフルーティー。

メイン建物リノベーション中ということで、脇門から。


Chateau CANONのChais。キャノンがちゃんとある(笑)

最後にお待ちかねのDegustation(デグスタション)。

しかし次のChateau Haut Sarpeの印象はとても良かった。
Chateau CANONに比べると格付けでは下だが、
こっちの方がワインが美味しい。と思った。
ここは、ぶどう品種がメルロー70%、カベルネフラン30%。

ガイドをしてくれた所有者の息子(推定45歳)が
フランスの高田純次っていえるくらい、いい加減で面白い人。
終始笑いの絶えないコメディアンツアーをしてくれました。
ファミリー経営というのが身にしみて感じられるくらい、
気さくで、彼が飼っている犬も一緒にツアーで案内してくれました。
後で写真をとっていなかったことに気付いて、がっくし。


まぁまぁ広いシャトーですわ。

家の裏には、夢のような光景
見知らぬ人たちとの食事もワインがあれば楽しい


敷地内レストランの外は、またもやこんな光景。


食事もコチラでごちそうになって、ファーストとセカンドワインをいただいた。
またねー、言葉に出せない程、しっくりきたんですよー。
もう、ありがとうの連発です。。。

同じテーブルに8人程いたけど、
カナダ、フランス、日本、コロンビア…とかなりインターナショナルなメンツでした。
ワインの接ぎ合いが、一層会話を弾ませてくれて、
ステキなひとときを過ごしました。
Chateau Haut Sarpe、とってもおすすめです!


また訪れたい、そう思わせてくれる人たちや景色、
そしてワインに出会い、100€払ったのも価値があると納得。
これから私の酔っぱらいな日々は続き、
これで帰ってからも家でワイン…(笑)をいただいています。


あー、ボルドー万歳。