ランスは、フランス北部のパ・ド・カレにあるかつて炭鉱で栄えた都市。
ここに行った理由は、2012年12月にオープンした
ルーブル・ランス美術館に行くためだ。
日仏学院の授業で、ルメートル女史がテーマに取り上げてくれたので、
事前情報はバッチリ頭に入ってる。だから、あとは現地を確認するだけ。
ルーブル・ランス美術館入り口の建物。 |
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外からでも中からでも見えるホール。 |
ルーブル・ランス美術館は、
ルーブル・グローバルプロジェクトの一環で
2003年からあたためられてきたプロジェクト。
2004年にランスに決定し、
2005年9月に設計コンペ最終選考ルディ・リコッティとザハ・ハディドを破り、
日本の建築事務所SANAA(サナー)が担うことになる。
そこから2012年12月のオープンなので、実現まで約9年かかってます。
すごいなぁ。
私はSANAAの建築物の自然な空気感がとても好きです。
またこの建築のライティングは、
照明の先生だったダヴィットも関わっていたと聞き、
より一層見なければならない宿命感が大きかったのです。
と、さてパリ・Gare du Nord(北駅)からTGVで約1時間。
ようやくランスに着くと、予想通り何もないですから、
真っ直ぐ美術館に向かいます。
Navettesと言われる巡回バスもありますが、
私は約20分ほどかけて、寒い中を歩きました。
道順はとても親切丁寧に書いてあるので、迷うことはありません。
途中から、炭鉱物を運ぶトロッコ?線路跡地を利用した道が私を引導。
しかしここは、夏に来た方がよかったかもしれないな。
寂し過ぎる…。
かつての線路跡地。電車で来る人も多いみたい。 |
進行方向右手に、二コブの山。かつて採掘されていた山が見える。 |
美術館に映りこむ二コブの山がまた素敵。 |
常設展は無料で、企画展は9€。
今は、「エトルリア人と地中海」という企画展が行われていました。
しかしここで注目すべきは常設展。本当に興味深い!
La Grande Galerie /別名Galerie du temps
「グランドギャラリー/別名:時のギャラリー」
と呼ばれるその名の通り、大空間に壁もなく、
古代から近代までの作品が、起源に関係なく時系列に並べられている。
というのはつまり、アジアのものであろうと、アフリカのものだろうと、
ヨーロッパのものだろうと、時代順に作品が並べられている。
だから、同じ時代にそれぞれの地域文化で何が美とされてきたのか
というのが、一度に見ることができるのだ。
このMuséography(ミュゼオグラフィー=展示方法)はワクワクする。
時代ごとの文化間のアートのつながりが見える。
なんとなく見るのではなく、作品を見ながら相互関係考えるから、
頭が久しぶりに活性化した時間でした。
空間に遮りはなく、開放的。作品の裏にも違う作品があるから、見逃すこともある。 |
マット仕上げの壁が光と内部を反射して柔らかく広さを演出。 |
この他にも地下に、普段展示されていない作品の倉庫が、
ガラス越しで見えるようになっていたり、
図書館があったり、
カフェはもちろん、ピクニックコーナーが、
同じ建物内に、存在。
帰りの電車まで時間があったので、
図書館で図録を読みふけりました。
こういうの、あるといいよなー。
それでも時間があったので、
図録で確認した物を今一度常設展に行って見ました。
待ち合わせパビリオン |
図書館(リソースセンター) |
ランス・ルーブル、おすすめです!