とても私の興味をひく。ので少しお話。
庭デココースが目指すものは、
ペイザジスト(外構デザイナー)でもなく、庭師でもなく、コンセプター。
お庭の大まかなコンセプトと配置案を考え、顧客とのイメージをすりあわせて行く。
あとはペイサジストに詳細を展開してもらう。
だから、専門的過ぎず、庭デザインの全般的な基礎を学ぶ。
仕事をある程度割り切る。
まずは、植物の種類から始まった。
これが…きつい。
1日中、訳の分からない植物の名前とその性質を説明された。
植物の名前は、学名と俗名があり、学名はラテン語で表記される。
そして学名で言われるから、アタマの中は真っ白。
まぁフランス語で言われてもよくわからないけど。
先生、一生懸命なんだけど。。
眠気が襲って起きるのが大変でした。
ただ学名には、Japonica(ジャポニカ)とつくものがたくさんあることに驚かされた。
日本原産のものもあれば、 日本原産でないけどそう言われているものもある。
学名は早い者勝ち。
16世紀〜19世紀にかけて特に植物学は発展し、
江戸時代に鎖国状態であった日本からはシーボルトが情報を展開した。
当時の日本語が学名としてラテン語風になっていたりするからまた面白い。
例えば、一番私が好きだったのは、よく緑のあるところで見る「ヤツデ」(八ツ手)。
ラテン語では< fatsia japonica > (ファッシア ジャポニカ)。
ファッシアは八(ハチ)から来ているらしい。
聞き間違いって色々あるけど、こんな安易さもなかなか良い。
![]() |
ヤツデ |
他にも庭の種類等を学んだ。日本式庭園はもちろんでてくる。
唯一日本人の私に、先生が質問。
「日本庭園は色々タイプあるけど、知ってる?」と先生。
まぁ有名なのは、Jardin sec (ジャルダンセック:枯山水のある庭のこと)だから、
無難に回答。
「大きく分けていうと、もう一つあるけど、知ってる? 」
…え?んー、何を指しているんだろう?と自分の家の庭を想像するがよくわからない。
そうすると、先生。
「Jardin de thé(ジャルダンデュテ)だよ」
…???茶庭?茶畑?ないよ、そんなの普通の家に。
私のイマジネーションは、ちょっとすっ飛ばしすぎていたみたい。
彼が言うには、次のような庭を指します。
「縁側のある家で、縁側から眺める庭、
つまり腰をおろして茶を嗜みながら、楽しむ庭。」
そうですか、そうですか。
その表現、素敵ですねー。目に浮かびます。
なんともフランス人らしいポエティックな表現です。
以上、フランス人が認識している日本の庭の分類です。
ちなみに、日本のスタイルっていうと必ず「zen(ゼン・禅)」という言葉を聞く。
そんなにミニマムで洗練された庭やインテリアなんて、
日本の家庭で見たことないですけどね。
あくまで彼らの中では、数世紀前の京都の寺が現在流行のzenです。
とにかく、ゲイシャ・サムライ・スシ同様、ゼン、ゼン言います。
さて、クラスでは強行スケジュールの中、半日使って卸売市場に。
(東京で言うと、太田市場。)
現地集合7時半。パリ郊外にあるので、5時起き。
植物だけでなく、野菜、肉、魚そして家具や装飾用品も売っている
欧州でも規模の大きいマルシェらしいです。
先生が、一つ一つ丁寧に、よく庭デコに使う植物を 説明してくれるので、
ビジュアルで植物を体験しました。わかりすい。
このマルシェはなかなか良いです。今後、商売に使えそうです。
先生は庭師。ちょっと外構屋は世界共通かなっていう雰囲気です。 |
オリーブをに本風NIWAKI(庭木)カット。これで…いいんでしょうか? |
さて、コレを発端に改めて魅せられた庭デコ。
子供の頃、千葉のおばあちゃんがとても花や木を大切にしているのを知りながら、
自分にとっては、毎夕に頼まれる水やりが面倒だとも思っていました。
31年経って、今日クラスで「自分の知っている庭」をテーマに図面を起こしました。
私の中では庭といえば、
やっぱり小さい頃に見ていた千葉の家しかアタマに出てきません。
梅、楓、モクレン、柿、椿…そこにあった植物を一つ一つ思い出しながら、
出来上がった図面をプレゼンすると、
Versaille(ヴェルサイユ)も手がけているペイサジストの先生が、
一言、「よく考えられている」と。
私も書きながら、なんて説明しようかな…って思いながら、
手を進めていたけど、うちの庭ってよくみると、
説明しやすい意味のある配置になっている。
それが故意でなくても、なんとなく嬉しかった。
やはり人の思いが入ると、庭も意味のある特別なものになるんだなと
改めて思いました。
庭はインテリアの一部です。
だから私も、やっぱりやろう。